ニライカナイを後にして「沖縄」番外編

DSC00091那覇空港には長蛇の列。空は皮肉にも、台風一過で晴れている。しかし、並んでいる人々の顔には焦りはない。「もしかしたら、もう一泊できるかなぁ。台風だから不可抗力だしなぁ♪」そんな色がありあり。もちろん、お気楽夫婦も同様。早めに決断し、会社に電話をかける。「台風で飛行機が飛ばないんだよ。参っちゃったぁ、帰れないんだよ♪」「あれ?IGAさん、声が明るくありませんか?ぜぇんぜん参ってませんよ。声が」「えっ!そんなぁこと、・・・あるかもしれないなぁ♪」

タクシーで那覇市内に戻り、取り合えず昨晩宿泊したハーバービューホテルへ。今日到着するはずだった人たちが来られないのだから、部屋は空いているはず。それどころか、フロントで問い合わせたらびっくり。なんと、“台風割引”なるものが存在するのだ。台風で足止めを食った客用に、部屋代を割引。ふぅむ。沖縄らしい・・・。

このホテル、悪くはないのだが、リゾート気分不足。カヌチャに泊まり、ブセナテラスを見学した後だから仕方ないのだけれど。カヌチャで足止めだったらなぁ・・・。そう呟き合うお気楽夫婦。危機感が全く感じられない。牧志公設市場に出かけ、のんびり那覇市内観光。翌日も朝早く那覇空港に向かうが、今日も無理だという。那覇市内にとって返す。じゃあ映画でも観るかぁ、と出かけた国際通の映画館は人もまばら。のんびり気分で映画鑑賞。まさか沖縄まで来て映画観るとはなぁ。期せずして転がりこんできた“とぅるばる(ぼーっとする)”沖縄時間。

そしてさらに翌日、ようやく出発。自分たちに責はないものの、小さな罪悪感を覚えながら。ヤマトンチュの悲しさ。それにしても思うのだ。この同じ国の、同じことば(違うさぁ)を話すこの島にある豊かな暮らしを。基地の問題もある。戦争の記憶も。日本で一番失業率が高いことも。しかし、青い海をボーっと眺めていると、この海の向こうにニライカナイが確かに存在するような気になってくる。いや、きっとあるさぁ。うちなーのちゅらぐすくの中に。あるいは、この島自体が、ニライカナイなんさぁ。

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